情報工学特別講義 II

大学院 理工学研究科 博士前期課程 情報システム工学専攻

$Lastupdate: Tue Dec 6 22:49:12 2005 $

担当:池口徹 (大学院 理工学研究科 助教授)
日程:平成15年6月19日(木) 16:00 〜 17:30 @工学部 55 番教室

本年度の情報工学特別講義 II における池口徹担当分は, gs-cjk プロジェクトの 山田泰司 氏 (株式会社あいはら) を講師としてお招きし, gs-cjk プロジェクト関連の最新の話題についてお話いただきます.

講師: 山田泰司 氏, 株式会社あいはら

題目

A Guide to gs-cjk Project 〜
中日韓のための、あるオープンソースプロジェクトへの誘い

概要:

本講では、Open Sourceプロジェクトの一つである「gs-cjk project」へみな さまを招待する。本プロジェクトは、PostScriptおよびPDF処理系のひとつと して世界で広く使われているGhostscript(gs)において、中国語(繁体字、簡体 字)、日本語、韓国語のフォントを「清く正しく」扱うための方法を開発する プロジェクトである。GhostscriptはArtifex Software Inc., artofcode LLC, Aladdin Enterprisesが、ソースコードを公開しながら世界のボランティアの プログラマとともに保守・開発しているソフトウェアである。我々gs-cjk projectチームから見れば、そのオリジナルのGhostscriptは「本家」というこ とになる。そして、本家Ghostscriptには、ライセンス形態の異なる2系統の著 作物が存在し、ひとつはAladdin Free Public Licenseの最新版「AFPL Ghostscript」であり、ひとつはGNU General Public License(GPL)の最新版で はない「GNU Ghostscript」である。

近年、gs-cjk projectは、GPL系統のGhostscriptにおいて、めでたく本家統合 を達成した。これに続いて、GNU/Linux, BSDディストリビュータ, Windows等 でgsのメンテナ達が追従し、それにより我々の成果が一般のユーザにも広く使 われているようである。

しかし、2003年現在、いくつかの成果について、最新のAFPL系統の Ghostscriptへの本家統合は、未だ達成されていない。本家統合は本プロジェ クトの目標のひとつであるが、ここでは、初心に返る意味でも一度立ち止まっ てGhostscriptにおけるCJK化の歴史を振り返りつつ、gs-cjk技術を深く活用す る方法、PDF作成術、本家統合の戦略、プロジェクト参加などの諸情報を広く 紹介する。

講師略歴:

平成5年3月東京電機大学工学部電子工学科卒業。 平成7年3月同大学大学院修士課程修了。 現在、株式会社あいはらにて、カオス時系列解析、 カオスニューロコンピューティングの応用に関する研究や ソフトウェア開発に従事。 カオス工学とコンピュータサイエンスの関係に興味がある。



問合先: 池口 徹 (大学院 理工学研究科 情報数理科学専攻)
Email: tohru[at]ics.saitama-u.ac.jp.
Copyright (C) 2003 Tohru Ikeguchi, Saitama University.