カントール集合の点が無限個あるのに長さが0というのが, 不思議です.
そこが今日のポイントですね.
この不思議さを解消するにはどうすれば良いか,
ということになります.
コッホ曲線の矛盾について長さ→∞, 面積→0, となってたけど, もともと線分だから面積は0だし, 矛盾なのかな?と思いました.
面積が0になること自体が直観に反することである,
とは言っていないです.
カントール集合の点の数について, 3進法を用いていたけど, そこらへんがよくわからなかったです.
今回紹介したカントール集合の作り方が,
中央部分を抜き去る左右対称なタイプでした.
中央部分は,3進法を用いた場合の1に相当します.
4次元のものを測る尺度は存在するのでは?
それはありますね.4次元体積とか.
メンジャースポンジで表面積が∞で体積が0など直感的にはまだよくわからない.
次回もう一度やりましょう.
整数次元でないものを測るための尺度というのは何か存在するのですか?
はい,存在します.次回紹介します.
数学的には"直線"は長さが無限大だったと思います. 1次元でも長さは無限大になると思います.
直線はそうですが,今日の例では(長さが有限な)線分を用いました.
カントール集合の長さを求める時に, 無限等比級数を用いるよりも, n回の操作後に得られる長さに注目すると, n=1のとき2/3, n=2のとき8/27,...,となり, 初項2/3, 公比2/3の等比数列になるので, n回目の長さは2/3(2/3)^{n-1}=(2/3)^{n}となるので, n→\inftyとすれば, \lim_{x→\infty}(2/3)^{n}=0となり無限回操作後の長さが求められる. というやり方のほうがカンタンな気がします.
簡単 (これぐらい漢字で書こう) かどうかは主観によりますが,
そのような答でも勿論構いません.
ただ,今日のこの演習のあとの話を聞いてもらったらわかると思いますが,
カントール集合を構成する点の数を考える時,取り去るという方が
対応がつくので,このような説明しました.
1/3に縮小して2個貼付けるので1段階ごとに長さが2/3倍になると考えれば, n段階目では(2/3)^{n}となり極限をとれば0になり, 等比数列を使わずに求められると思いました.
上でも言いましたが,それでも良いです.
但し,答を導くプロセスをちゃんと書いていればです.
カントール集合の合計に最初の1は足さないんですか?
最初の1をなぜ足すのでしょうか?
また,こういう質問は講義中にしてくれてOKです.
濃度を0次元として見るというのは初めて学びました.
濃度を0次元として見るのではなく,
点の数を濃度としましょう,という説明でした.
実は凄く天下り的定義ですが,点は0次元と考えると,
濃度は(個数を計るものなので)0次元なものを計る尺度になる,
ということです.
整数次元を拡張して非整数次元を考えられるのだったら, 負数の次元も考えられそうだと思った.
うん,面白いですね.どうすれば良いと思いますか?
一度議論しながら飲みましょう.
いや,逆かな?
この学科の先生方は就職するより大学院を行くことを勧めているけど, 何でですかね?
色々と理由はありますね.もし行くチャンスがあるのであれば,
学部で卒業するよりも有利になる面が多いと思われます.
他の先生たちは,修士課程への進学を勧めていらっしゃるかもしれませんが,
僕は修士課程だけでなく,博士課程にいくのも勧めますね.
うちの研究室にきてくれたメンバーを見ていると,
みんな優秀(!=成績が良い)で研究も頑張っています.
中間的な次元があるということは面白いと思いました. そこで質問なんですが, 負の次元というのはあるのでしょうか?
良い質問ですね.飲みながら議論しましょう.
無限について考えていると頭がおかしくなりそうです.
それで良いと思います.無限というのは難しいです.
"そもそも, なぜ点が0次元で線分が1次元, 平面が2次元....なのかを考える必要がありそうだ"と思いました.
とても良いコメントですね.次回これについては話をしますが,
素晴らしい.こういうコメントを出来る人は,研究者に向いているかも.
手, どうしたのですか?
まぁ,人生が長くなると(まだそれほどでもないけど)
色々あるんですよ.
今日の話題もなかなか興味深かった. フラクタル図形の次元はどう求まるのか, 気になって眠れない.
興味を持ってくれたようでとても良かったです.
眠れないほど気になるのは素晴らしいですが,
丁度眠れない時期でもあるので,夜中まで応援しましょう.
次元によって収束する値や発散したりと色々な法則?が垣間みれたので, 来週の講義で確認したい.
来週の講義と言わず,それまでに考えておいてください.
各図形の次元にあっていない尺度で測ると0か∞に発散するというのが気になります. もっと掘り下げるとおもしろくなりそうです. 来週に期待します.
確かに気になりますね.
来週に期待せずに,自分でどうなるか考えてみよう.
先週に続いて今週はフラクタルという懐かしいものを再度学んだ.
それで最初は寝ていたんですね.
フラクタルについてより今までにやったことのほうが個人的にはおもしろかった.
お,そうですか.なかなか良いセンスをしている!
授業評価のアンケートって公開してたんですね. もしかして義務づけられたんですか?
いえ義務ではありません.僕に対する評価を僕が個人的に公開しているだけです.
そもそもみんなも試験の成績の公開は義務づけられたりしないでしょ?
この授業評価のアンケートについては賛否両論あります.
個人的には,このような評価方法はほとんど役立たないと思っています.
そもそも学期が終わった後に,ここが悪い,あそこが悪いと言われたって,
どうしようも無いですしね.なので,僕は毎回のコメント用紙を採用しています.
記名ではないので,酷いことを書くので良くないという意見もあります.
それも一理あると思いますが,皆さんには,通常のコメント用紙には記名で
記述してもらっているので,このアンケートに関しては,
無記名でも問題はないし,ちゃんとした意見を言ってもらっています.
まぁ,こんなのは,ある一面のみから見た評価なので,
その講義の全てを測ることはできないと思います.
いずれにしても,皆さんの考えと,教員の考えとはミスマッチする場合が
ほとんどなので,良い結果は出にくいですよね.
再起処理の図形から, 次元の話に進むのがおもしろかった.
さすが情報システム工学科ですね.
カントール集合について長さを問うことがおかしなことであるということで理解しました.
いえ,問うことがおかしなことではありません.
問うこと自体は素晴らしい.問うてみた結果,
結果の解釈がおかしなことになっているということです.
カントール集合の長さを求める演習で, 見事に先生がおっしゃったような(2/3)^{n}みたいな値を書いてしまっていました.
演習では,すぐ答を書くのは良くないと言いましたが,
大事なのは,考えたプロセスを記録するということだと思います.
勿論答があっていること自体,悪いことではありません.
ドラえもんの四次元ポケットは濃度, 長さ, 面積, 体積が全て∞になるのでたくさんはいるのだろうか? ドラえもんも非線形だ.
ウーム,ドラえもんが非線形かどうか分からないけど…
まぁ,のび太君とのやり取りを見ていると,確かに線形とは言えないか.
先生がもらした4次元体積というものがものすごく気になった.
別にもたらした訳ではなくて,あの部分はタイポです.
講義中も言いましたが.
フラクタルは芸術以外, たとえば工学の分野で何か応用されていたりするのですか? (うろおぼえなのですが, 前にIBMがメンジャースポンジみたいなのを使って電子を逃がさない箱みたいなのを作った気がしたので...)
そうですね.いくつかありますが,これは次回紹介します. メンジャースポンジの応用も紹介します.
あてられたけど答えられなかったのがショックでした.
僕もショックですよ〜.こんな講義の単位を落とさないでくださいねー.