情報システム工学入門

工学部 情報システム工学科


フラクタル幾何学入門

- 非整数次元の不思議 -


担当:池口徹 (大学院 理工学研究科 助教授)
日時:平成14年5月16日(木) 16:00 - 17:30

概要:

我々が住んでいる世界には,複雑な形を有するものが数多く存在します. 例えば,空に浮かぶ雲,森に繁る樹木,海岸線,雪の結晶等です. 「このような物体の形の複雑さを,どのように数値化するか」という 問題を解くための考え方の一つが「フラクタル」という概念です.

本講義では,我々が慣れ親しんでいる,長さ,面積, 体積などの尺度では, これらの物体の形状の複雑さをうまく測れないことを示します. そして,これを解決するための「フラクタル次元」という新しい尺度と その計算方法をわかりやすく紹介します. また,「フラクタル」という考え方が どのような分野に応用されているかも取り上げます.


内容
  1. 複雑なもの
  2. フラクタルとは
  3. フラクタル図形の例
  4. カントール集合
  5. カントール集合の長さ
  6. カントール集合の濃度
  7. フラクタル図形の特徴
  8. 次元とは - 直観的解釈 -
  9. 「被覆」による次元の定義
  10. カントール集合の次元
  11. 非整数次元の意味
  12. フラクタルの応用

配布資料はこちら(pdf).
スライドファイルは こちら (pdf).
課題
  1. コッホ曲線の長さが無限大となることを示せ.
  2. シェルピンスキーのギャスケットの面積が 0 となることを示せ.
  3. コッホ曲線,シェルピンスキーギャスケットの次元を求めよ.
  4. あなたの回りのフラクタルをあげなさい.

リンク
  1. 池口研究室
  2. カオス・フラクタルの工学的応用
  3. 埼玉大学 工学部 情報システム工学科 情報工学実験 I 課題5 「カオスとフラクタル」 サポートページ

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